従官格とは?正官に従う命式と従殺格との違いを図解で解説

従官格とは — 自分の気がまるごと社会の役割(正官)へ預けられる様子を描いたキービジュアル

従官格(じゅうかんかく)とは、日干を支える気が命式にほとんどなく、 日干以外が正官だけで構成されている型です。正官は日干を剋す五行のうち、 日干と陰陽が異なるもの。人体図では牽牛星にあたり、 社会から与えられる役割や責任を表します。自分を保つ力がないぶん、 与えられた役割にそのまま乗っていく形になります。

ただし、1926年から2025年までの36,525日を計算した結果、 従官格は1日も出現しませんでした。理由は後述します。

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従官格の気の流れ

自分の気がまるごと正官へ預けられる、一方通行の形です。 殺印相生格のように印を通って戻ってくることもなく、 従生財格のように途中に表現をはさむこともありません。

従官格の気の流れ。比劫(自分)から官殺(社会)へ直接に気が向かい、官殺が到達点になることを示す図 比劫 自分 食傷 表現 財 実り 官殺 社会 印 知恵 役割へ 預ける 到達点は正官。途中に通り道を持たない
従官格の気の流れ。自分から社会の役割へ、一段で直接向かう。

成立には、まず三条件をすべて満たすこと

従化五格はどれも、次の三条件をすべて満たすことが前提になります。 この三条件は佳代(原典算命学)・金烏玉兎庵・カタリーの算命学など、 複数の鑑定士が独立に同じ内容を挙げているもので、算命学の格法の共通土台です。

従化五格の共通三条件。日干が身弱であること、日干が地支に根を持たないこと、人体図に貫索星・石門星が出ないことの3つで、3つ目は陽占を見る条件であることを示す図 ① 身弱 日干の強度が3以下。自分を保つ力が乏しい 陰占 51.59% ② 日干に根がない 地支の蔵干に日干と同じ気がひとつもない 陰占 44.92% ③ 貫索星・石門星が出ない 人体図に自我星がない。ここだけ陽占を見る 陽占 32.88% 三条件すべてを満たすのは 19.45% パーセントは 36,525 日を全数計算した実測値
従化五格の共通三条件。③だけが人体図(陽占)を見る条件で、算命学の格法が陰占と陽占の 合わせ技であることがここに表れている。

三条件を通ったうえで、日干を除く天干2つと、3つの地支の蔵干すべてが正官(人体図では牽牛星)だけで 構成されていると、この格が成立します。比劫・食傷・財・印・偏官が混じると流れが乱れ、 混じった数によってグレードが決まります。

グレード割り込む気の数読み方の目安
完全格0気が濁りなく一方向へ流れきっている
一点破格(再建格)1完全格の8割ほどの力を持つとされる
不成立2以上この格としては読まない

従殺格との違いは「陰陽が異なるかどうか」

正官も偏官も、日干を剋してくる五行という点では同じです。違うのは陰陽だけ。 日干と陰陽が異なるものが正官、同じものが偏官(七殺)です。 算命学の高尾学館では、この2つを従官格と従殺格という別の格として立てます。

従官格と従殺格の違い。日干が甲のとき、陰の金である辛は陰陽が異なるため正官で従官格、陽の金である庚は陰陽が同じため偏官で従殺格になることを示す図 甲 日干・陽の木 辛 陰の金 正官 → 従官格 陰陽が異なる 庚 陽の金 偏官 → 従殺格 陰陽が同じ どちらも「金が木を剋す」。算命学はこの2つを別の格として立てる
従官格と従殺格の違い。従う先が正官か偏官かで格の名前が変わる。四柱推命は両方を官殺にまとめる。

なぜ100年計算しても出現しないのか

従官格が成立するには、日干以外の残りの文字がすべて正官である必要があります。 ここが極端に厳しい条件です。

正官は「日干から見て陰陽が異なる、日干を剋す五行」——つまりたった1つの干に 限られます。たとえば日干が甲なら正官は辛だけ。天干2つと地支の蔵干をすべて含めた残りの文字が、 その1つの干だけで埋まるという状況は、六十干支の組み合わせでは事実上起きません。

従化五格の従う先が許容する十干の数を比較した図。従官格と従生格・従殺格は1つの干しか許容しないのに対し、従生財格は4つ、殺印相生格は4つを許容するため成立しやすいことを示す 「従う先」が許容する十干の数と、実測の出現率 殺印相生格 官殺2+印2 = 4種 0.42% 従生財格 食傷2+財2 = 4種 0.36% 従財格 財2種 0.02% 従生格 食傷2種 0.005% 従殺格 偏官1種 0.005% 従官格 正官1種 0.00% 許容できる干が少ないほど、残りの文字を埋めきるのが難しくなる
従う先が許容する十干の数と出現率の関係。1種類しか許容しない従官格・従殺格・従生格は極端に成立しにくい。

同じ理由で、従生格と 従殺格も100年で2日ずつしか出ませんでした。 逆に殺印相生格と 従生財格が比較的多いのは、 許容する十干が4種類あって残りの文字を埋めやすいためです。

出現しなかったのは「そういう命式が存在しない」という意味ではなく、 1926年から2025年までの範囲では現れなかったということです。 条件を満たす配置は理論上ありえます。

官殺が多い命式は、実際にはどう判定されるか

正官と偏官が混ざっている命式は、従官格にも従殺格にもなりません (どちらの条件も「一方だけ」を求めるため)。ただし印が加わっていれば 殺印相生格の候補になります。殺印相生格は官殺(正官・偏官の両方)と印を許容するからです。

日干以外の構成成立する格
正官だけ従官格
偏官だけ従殺格
正官と偏官が混在どちらにもならない
官殺+印殺印相生格

読み方の目安

格法の分類と判定条件には流派差があります。ここで紹介しているのは Sanmei Scope が採用している 判定基準です。また格法は気の流れの「形」を示すもので、優劣や吉凶、将来の出来事を断定するものではありません。

よくある質問

Q. 従官格と従殺格はどう違いますか?
A. 従う先が正官か偏官かの違いです。どちらも日干を剋す官殺ですが、日干と陰陽が異なるものが正官、 同じものが偏官(七殺)。算命学の高尾学館ではこの2つを別の格として立てます。四柱推命は両方を 官殺としてまとめ、従殺格ひとつで扱うことが多いので、そこが体系の違いになります。
Q. なぜ100年計算しても従官格が出ないのですか?
A. 日干以外の残りの文字を正官だけで埋める必要があるためです。正官は日干から見て「陰陽が異なる、 日干を剋す五行」のたった1つの干に限られます。地支の蔵干まで含めて残りの文字がすべてその1つの干に なるという条件は、六十干支の組み合わせでは事実上成立しません。同じ理由で従生格・従殺格も 100年で2日ずつしか出ませんでした。
Q. 官殺が多い命式は何格になりますか?
A. 正官と偏官が混ざっている場合、どちらか一方だけの条件では成立しません。ただし印が加わっていれば 殺印相生格になる可能性があります。殺印相生格は 官殺(正官・偏官の両方)と印を許容するため、実測でも従化五格のなかでもっとも多く0.42%出現します。

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